ぼくはもう

 

ぼくはもう 何も話したくなかった
もう全ては語り尽くされた 気がしたから

この世界のほんの少しさえ
描くことができなかったのに

ぼくはもう 何も欲しがらなかった
新しい何もかもが うとましくて

守れないから 壊れてしまうのが
こわくて この部屋さえも乱雑に

朽ち果てた廃墟に 見えてくるよ
いつか築いた 大地はかすんで

宙に浮いている パラシュートは
着地しない

ぼくの心は 物理的な法則には
支配されていないようだ

情熱的でありたいと 想うことは
想うことは いつも 実現できていない

実現できていることは 気づきもしない
気づきもしないことに 気づきたい

気づくことを 想うことで 取り戻したい
いつかの大地を いつかの言葉を

そしてまた ぼくは忘れたい
何かを 思い出すために

-201006-